9月… v5-25
9月は私にとっては特別な月だ。
9月に生まれ、9月に結婚した。伊勢湾台風に襲われ生死を
さ迷ったのも9月だった。
そしてごく最近、その9月に悲しい出来事が加わってしまった。
中学時代の同級生が逝ってしまった。彼とは昨秋、80才を
祝う会と銘打って、5人の仲間たちと一泊旅行を楽しんだ
ばかりだった。基礎疾患を持つ彼にとってコロナ禍での日常は
かなり厳しかったに違いない。
9月…いつもなら台風が次々と襲来するのに今年、関東には
あまりやってこなかった。しかし、毎日、雨ばかり降っていた。
まさに秋の長雨だった。
そして私の心の中にもいつも雨が降っていた。
まるで霧雨のように果てしなく静かに。
最近、何となく自分を駆り立てているものがあることに気が付いた。
恐らくそれはコロナ禍で過ごした非日常の日々の中から生まれ出た
ものにちがいない。時々自問する。
何を待っているの?いつまで待っているの?
そんなことをしていたら自分の時間が無くなってしまうのに。
9月がもうじき終わる。
10月、思い切って旅に出ることにした。
新しい日常を探しに。
懐かしい友人たちと会うのはもう少し先にして…
取り敢えず忘れてしまいそうな秋を探しに…。
(photo by y.y & kazuki: 小平市&西東京市にて)
top y.y.corner f. salon essay old