キャンセルのあとは… v5-14
今月に入って予定していた旅が2件、キャンセルになった。
正確には1件は一緒に行く友人と話し合ってのキャンセル、
あと1件は旅行会社からの申し出であった。
旅行会社のツアーを申し込んだのは昨年の暮れ近くであった。
越前海岸や丹後半島をめぐる2泊3日の旅である。
初めて訪れる所も多く、なかなか興味をそそる内容であった。
特に常にカメラ目線の夫にとっては待ち遠しい旅となった。
しかし、何と旅の予定日の3週間前に催行中止の連絡がきた。
早々と参加者不足という決断をしたらしい。
過去にもツアーがキャンセルになった経験はあるが、こんなに
も早くキャンセル通知をもらうとは思いもよらなかった。
今年の冬は温暖化のせいか暖かい日が多く、出かけるにはいい
機会だと思っていたが、一気に目前の旅のスケジュールが
消えてしまった。きっと「新型コロナウイルス」のせいにちが
いない。
昔、たしか「サーズ」が蔓延していた頃である。
友人と3人で北京ツアーに参加したことがあった。その帰国便の
成田空港で機内に閉じ込められたまま検温器を額近くに充てられ
た経験がある。最近、TVでよく目にする小型の機器である。
着陸する前にワインを飲んでしまった我々は大いに慌て検査結果
に気をもんだが幸い何事もなく無事日本の地を踏むことが出来た。
最近あちらこちらで足止めをくっている旅行者を見聞きする
につけ、しみじみと昔の体験を思い出した。
先日、乗った電車の中である。中国語を話す賑やかな一団がいた。
いつもは気にならないのに、今回だけは迷うことなく私は次の駅で
さっさと車両を移った。別に彼らがウイルスをばらまいているわけ
でもないが、危ないものには近寄らないに限る。
さて返金されたツアー代金である。次の旅行に充当すべきだが、
これがなかなか難しい。時期を失したツアー代金は、きっと
桜の花の開花を待って、あっという間に消費されてしまいそうな
気がする。
2020年2月
(photo by y.y: 小金井公園にて)
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