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自称「47aタイプ」のボトム刻印を持つZIPPOには、以下の5つがあります。
種   類 ケース材質 バレル ボトム刻印(47aタイプ)
 A.1946年後期〜1947年前期 ニッケル 58mm
 B.1947年後期 ニッケル 57mm
 C.1948年〜1949年前期 ブラス 57mm
 D.1949年後期〜1951年前期 ブラス 57mm
 E.1951年後期〜1953年前期
   (51年後期のみと思われる)
スチール 57mm

この5種類の判定の方法は以下の通りです。
【「A」の判定】
「A」は、この中で唯一、丈が58mmなので、簡単に判定できます。(写真左参照)
但し、注意する点があります。この当時、“ロケットトップ”と呼ばれる、リッド(蓋)が出っ張っているZIPPOがあり、「B」以降のZIPPOでロケットトップだと、丁度58mm程度になるため、間違えやすいです。丈を測る時は、所謂ボトムケースの丈を測る必要があります。右端の写真は
「A」・「B」・「B’=ロケットトップのB」の順に並べたものです。3つのZIPPOの上に平らな物(黒い箱)を載せて撮った写真ですが、箱はほぼ水平で且つ真ん中の「B」は箱との間に隙間ができていますが、「B」と「B’」のバレルの位置は同じです。
つまり、「B」がロケットトップの場合は「A」とほぼ同じ丈でありながら、所謂ボトムケースはロケットトップでない「B」と同じ丈ということになります。
【「E」の判定】
「E」は、この中で唯一、スチール製なので、磁石に付くかどうかで判定できます。
磁石を付けてみる際は、インサイドユニットを抜いてから行います(ステンレススチール製のインサイドユニットが入っていると磁石が付いてしまいます)。右写真の左に写っているのは円形の磁石です。
【「D」の判定】
「D」は、先の「E」と同じ5バレルですが、ブラス製なので磁石に付きません。磁石に付かない5バレルなら「D」と判定できます。
但し、「B」や「C」が、後年5バレルに修理されているケースがあります。右の写真は、5バレルに修理された「B」と「C」です。修理用ヒンジは、オリジナルヒンジと見た目が少し異なります。修理用ヒンジは、ヒンジにあまりメッキがされておらず、角の部分がやや角ばっています。溶接痕が残っている(右の写真では「Bx」が顕著)こともありますので、ある程度見分けは付きますが、修理されている場合は製造年判定が難しくなります。
【「B」「C」の判定】
「B」と「C」は、どちらも3バレルで57mm丈です。材質がニッケル製・ブラス製という違いはありますが、ニッケルもブラスも磁石には付かないので、「D」と「E」のような判定の仕方はできません。「B」と「C」の判定方法には以下のものがあります。
<1.ヒンジの材質>
ボトムケースがニッケル製である「B」のヒンジは「スチール製」であるのに対し、「C」のヒンジはニッケル製です。ですので、磁石に付くかどうかで判別できます。但し、
「B」のヒンジが1948年〜1949年に修理された場合、ニッケル製のヒンジと交換されてしまう為、この方法では判別できなくなります。ヒンジが修理されている場合、ヒンジの取り付け位置に溶接痕が残ることもありますが、溶接痕があるからといって「B」と判定できるわけではありません。1948〜1949年に修理された「C」という可能性も十分あるからです。この当時のヴィンテージZIPPOは、修理されているものも多く、この修理有無の問題は無視できません。 多いケースとしては、49年後期以降の修理、つまり5バレルに修理されているケースですが、 その場合も含め、修理されていると、この「1」の方法は使えません。また、「B」の最後期にはニッケル製のヒンジが使われ始めるので、注意が必要です。
<2.ボトムケース内側の色>
「B」(それ以前のニッケル製ZIPPOを含む)の「ボトムケース内側の色」は『シルバー』であるのに対し、「C」のそれは『ブラス色(黄銅色)』です。この色の違いで判別することができます。但し、「C」であっても、「ボトムケース内側の色」がシルバーのことがあります。これは、ボトムケース内側のメッキ仕上げが良すぎたために、本来見えている筈のブラス色が隠れてしまったものと思われます。下の写真は、ボトムケース内側にメッキが施されているものですが、 この例では、右端にブラス色が見えているので、Cと判定できます。しかし、ボトムケース内側の底面全部がシルバーだと、この「2」の方法では判別できません。コレクターの方によっては、ボトムケース内側、或いは、リッドの内側を鋭利なものでスクラッチして、シルバーが見えれば「B」、ブラス色が見えれば「C」と判定している方もおられるようです。このスクラッチ法は、貴重なヴィンテージZIPPOを自らの手で傷つけるという手荒な方法ですが、かなり確実性が高い方法です。ヴィンテージZIPPO=貴重 と考えなければ、削ることによって「当たり」か、「はずれ」かが分かる、ある種ワクワクする方法かもしれません。


<3.ボトムケース底面の形状>
「B」と「C」のボトムケース底面の形状は、若干異なります。言葉では説明しにくいのですが、「B」はボトムケース底面の輪郭部分がややラウンドしているのに対し、
「C」はストレートになっています。その結果、ボトムケース底面を正面から見ると、
「B」は中央に行くほど底面の幅が広くなっているように見えます。このページ最上段の画面タイトル貼ってあるボトム刻印の画像は「C」ですが、この画像上にマウスポインタを合わせると「B」に切り替わります。「B」「C」の違いを対比してみてください。




<4.ボトムケースの重量>
「B」はニッケル製、「C」はブラス製ですので、体積が同じでも比重が異なります。ニッケルの比重は8.9。ブラス(真鍮)は銅と亜鉛の合金ですが、ZIPPOのボトムケースに使われているブラスは、銅と亜鉛の比率が7:3で、比重は8.5前後です。よって、ニッケルの方が比重が重いので、「B」の方が「C」より重いかというと、そうではありません。「B」と「C」ではボトムケースやリッドの厚みがわずかに異なっており、「C」の方が分厚いのです。その結果、ケース全体の実際の重さは、「B」=30〜31g、「C」=32〜33gです(勿論、インサイドユニットを除いた時の重量です)。わずか数グラムの差なので、かなり精度の良いデジタル秤でないと判定できません。また、ボトムケースに汚れが付着していると、重量を正しく量れないのでやはり判定できません。

                                                
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